家を借りる時、どこで探してどこに問い合わせたらいいのかは不動産に関わっている人間でもわからないときがあります。なぜそういったことが起きるのか①自分でネットで探した物件はなぜ申込みが入ってしまっていることが多いのか②どこに相談すればいいのか③一般的な諸費用の目安④敷金・礼金・管理費とは⑤設備とライフラインの確認。について賃貸を探すときの不思議な環境について記述していきます。
自分でネットで探した物件はなぜ申込みが入ってしまっていることが多いのか
これは賃貸市場では問題となっており、改善しないといけない問題なのですが何年も改善されることなく、この先も今のところ改善される見込みが見えていないと思います。様々なケースがありますが、主なケースとしては①所有者と募集業者の連携不足②おとり広告③囲い込み問題があります。
①連携不足
所有者が複数社に募集依頼をし、複数社で募集開始します。そのうち1社が成約をして募集を落としますが、他の募集業者には成約の事実が共有されず募集を続けてしまうという問題です。
本来は所有者は複数社で募集するならば申込みの管理をしないといけません。また、募集依頼をもらった業者も定期的に所有者に紹介可能な状態であるか確認をして募集をしないといけません。しかし、これが疎かになることで存在しない募集情報が市場に掲載し続けられているというケースは残念ながらよく見られます。
②おとり広告
実際には募集していない好条件の物件情報を、その事実を知りながら募集掲載して数多くのお客さんから問い合わせを獲得します。お客さんには「まだ紹介しています。明日にでも店舗へお越しください」と言い、実際にお店に行くと「先ほど申込みが入った」「所有者の意向で募集停止となった」などと言い、募集中の別物件を紹介してくるという手口です。
業者に悪意があるため非常な悪質で取り締まりの対象となっておりますが、常習的に行っている証拠でもないと重い処分が下っていないという現実があるため、このような業者が常に存在しています。店舗に行ったお客さんも「第一候補が申込み入ったなら、第二第三候補ですぐ申込みしないと」と焦ってしまい希望に沿わない条件の落ちる物件に焦って申込みしてしまいますし業者以外は誰も得をしない悪質なケースですね。
③囲い込み
募集業者が所有者から好条件な物件などを預かると、自社で成約させるために他の業者に情報を公開せず自社だけで募集してしまうケースです。成約時には所有者と借りたお客様の両方から手数料をもらえるため、他業者にお客さんを紹介してもらうのに比べて手数料が2倍というわけです。
これをすると以下のような現象がおきます。
A不動産で募集をし、C物件を囲い込みをします。
検討者がB不動産屋とやり取りをしているうちにC物件のことを知り、C物件の問い合わせをB不動産にします。B不動産は紹介できる物件かどうかを調べますが、情報が出てこなかったり、B不動産には紹介不可ですと言われます。すると、本来は募集している物件なのに募集元がわからず「空いてないと思います」という回答になるというわけです。仮に空いていることが確認できてもB不動産では紹介できないので、検討者が囲い込みをしているA不動産に直接問い合わせをしないと借りることができません。
このようなケースで、ネットで見つけた物件が借りられなかったりします。では、どうしたら正しい情報を得られるのか次のポイントで紹介しましょう。

どこに相談すればいいのか
では、どこに行けば正しい情報を得られて紹介もらえるのか。私のオススメは検討物件があるエリアの店舗が大きめの仲介会社です。
「〇〇駅 不動産屋 賃貸」と検索すると最寄り駅の周辺にある不動産屋さんが出てきます。予約して店舗に行きましょう。検討物件が決まっていればその旨を伝え、決まっていなければ店舗に行き物件をピックアップしてもらいましょう。物件情報は業者間で共有されていることが多いですので、この物件はこの不動産屋じゃないと紹介できないというような制限がついていることは比較的少ないです。希望エリア近くの不動産屋であれば案内も予約が取りやすいですし入居に向けて、入居後の質問なども対応してもらいやすいですね。
初期費用の目安
賃貸を借りる場合、家賃以外にもかかる初期費用があり、これを最初の段階で用意する必要があります。物件を所有者から直接預かっている不動産屋によって初期費用の条件は違いますが下記のようなものが一般的です。
・賃料管理費 (日割分or日割分+翌月分)
・敷金 (賃料0~2カ月分ほど)
・礼金 (賃料0~2か月分ほど)
・仲介手数料 (賃料1カ月分+税)
・保証会社費用 (総賃料の30~100%程)
・火災保険 (15000~25000円程)
・緊急時24時間駆け付けサービス (8000~18000円程)
・清掃費 (0~50000円程)
・鍵交換代 (12000~35000円程)
などです。平均的には総賃料の5~6カ月分くらいになることが多いです。10万円の物件を借りようとすると礼金敷金1カ月ずつで50~60万円くらいかかるということですね。
初期費用については、なるべくケチらないことをオススメします。24時間駆け付けサービスや鍵交換代などが任意であることはありますが、入居後に不具合があっても問い合わせ先が無くなってしまいクラシアンなど自分で手配したら実費になってしまった。など、入居後不便な思いをしたり余計な出費をしてしまうトラブルが見受けられます。
敷金・礼金・管理費とは
初期費用にある敷金礼金と管理費って?
礼金
昔は売り手市場だった賃貸市場。物件を貸してもらえるというのはありがたく、大家は「うちの不動産を貸してあげるから感謝して住みなさい」という風習でした。そのため貸してくれたお礼に礼金を支払う。という昔の風土が残っているだけです。
今は借主を保護する法律もでき、決して極端な大家優位ではなくなりましたが、この礼金が借主からもらえないと、成約時に不動産屋に払う成功報酬を手出しで支払うことになってしまいます。そのため、よほど礼金を無しにでもしないと決まらないという物件以外は1カ月分はついております。
ちなみに、関西では礼金という文化がそもそも一般的では無いようです。関西から来る方に礼金の話をすると「は?」みたいな反応をされます。
敷金
これは預り金です。退去の際にはクリーニング費用の清算をしたり滞納賃料があれば清算をしたりとお金の清算の手続きが必要になります。このとき「お金が無くて払えない」ということを避けるために一定のお金を預かっておくのです。ただ、これはあくまでも借主のお金ですから、承諾もなしに大家が勝手に処分したり返還しないことは認められておりません。
返却してもらえるお金ではありますが、諸々の清算に使うことになるんだろうなー・・・という程度の認識は持っておいた方が良いです。返ってきた敷金で別のものを買おうとか考えていると、きっと計算と違うことになるでしょう。
管理費
賃料と別に設定されている管理費ですが、物件の所有者も建物を維持管理するために日常清掃を入れたり消防の設備点検やエレベーターの点検を行ったりするのにお金がかかります。入居者の皆さんが快適に住めるように物件を維持するためのお金というのが本来の意味合いです。
ただ、昨今はそれよりも総賃料を安く見せるためだけに設定されていることがほとんどになってきています。例えば総賃料104,000円で募集するよりも、賃料99,000管理費5,000という形で募集した方がインターネットの検索で’賃料10万円以下’の検索にひっかかりやすくなったりしますね。この賃料の見せ方を変える意味で振り分けているものだと思っておいても現代ではあながち間違いというわけではないかもしれません。
設備とライフラインの確認
最後に、物件を借りる時に確認しておいたほうが良いポイントを2~3個だけ挙げます。
設備か残置物か
エアコンやプロパンガス、照明などが壊れた時、経年劣化であれば貸主が直すというのが原則ですが、これは設備という取り決めがされていれば。の話です。
たまにこれらが残置物となっていることがあります。これは壊れたとしても貸主は直しませんよー。ということです。入居時につけてあるけど、使うならご自身で管理してどうぞということで撤去せず置いてあるだけ。というものです。
ついてるだけマシという考え方もありますが、壊れた時には補修・交換してもらえるものだという認識で住み始めてしまうと壊れた時に出費にもなりますし、何が設備で残置物なのかはチェックしておきましょう。
テレビの視聴環境
テレビはアンテナ式とケーブル式があります。建物の上に先っぽが矢印の形をしたアンテナがついていればUHFアンテナといい、室内のテレビケーブル穴にケーブルを差し込めば見れます。
一方、建物上にアンテナのようなものが無い場合、ケーブルテレビの可能性が高いです。一戸建てや、電波が届きにくい地域、近隣に高い電波塔があり電波障害が起きやすい立地の物件だとケーブルになっていることがあります。
この場合、入居する方がケーブル会社とテレビ契約をして月々の利用料を払ってテレビ視聴する必要があります。月額1000~3500円くらいかかるので毎月のことと考えるともったいないので入居前に確認しておきましょう。
インターネット環境
インターネットは、電話線を利用するネットであれば電話線があれば利用できますが、回線速度が遅いです。光のインターネットを使うのには電柱から建物までの引き込み工事、室内の光ケーブルの設置。が必要になります。電柱から建物への引き込みは集合住宅であればMDF盤というものを使って行いますが数に限りがあるので勝手に行うことはできないです。既に引き込まれている回線を利用するのが無難なので、何のネットが使えるのか確認をしておきましょう。
一戸建てであれば電線から建物に引き込みをするために縦横30センチくらいのボックスが外壁に付き、場合によっては室内への引き込みのために壁にケーブルを通すために小さな穴をあける必要が出てきます。もちろん所有者の承諾なしに勝手に物件に穴は開けられませんので承諾をもらう必要があります。だいたいの場合は承諾が得られると思いますが、ダメと言われてしまったときはインターネット光が利用できなくなってしまいます。
インターネットが現状どのような利用環境整っているのか確認しておきましょう。
その他
その他にも都市ガスなのかとか、管理人はいるのかとか・・・駐車場バイク置き場の空き状況は・・・など確認しておいたほうが良い事項はありますが、上記は特に見落としがちな要確認事項なので記載させていただきました。
賃貸を借りる時の相談について、もし相談事項があればお問い合わせフォームからお願いいたします。
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