今回は家を買うときに使える制度と注意点をまとめていきます。項目が多いので少し長めの記事になりますが、項目ごとにタグがついているので必要なところだけピックアップして見てください。
①住宅ローン減税②3000万控除③すまい給付金④不動産取得税⑤登録免許税⑥印紙税⑦固定資産税⑧贈与税
住宅ローン減税
年末のローン残高の1%を上限に年間最大40万円(中古住宅は20万)まで10年間、所得税と住民税が戻ってくる制度です。
まずはローン残高1%というのがポイントです。ローン残高が少額であればいくら所得税や住民税を収めていても戻ってくるのは残高の1%です。 また、年間最大40万円というのもポイントです。ローンは支払っていくと元本も減っていきます。ギリギリ4000万円でローンをスタートすると仮に金利0.52%で35年ローンだと5年後には残高3463万円、10年後には2921万円になっています。 これだと残高1%の数字が5年後は34万円、10年後には29万円になりますね。5500万円のローンだと同じように金利0.52%で10年後に残高4016万円と、4000万円の残高を維持する形になります。
月々の支払額やそれぞれの勤続状況によっても頭金をいくら入れたら制度を生かせるのかわかると思います。物件購入するときはローンの組み方をよく検討しましょう。
制度を適用させるために注意しないといけないポイントとしては
①制度に期日があるので、入居日に注意しましょう(ただ、何度も期限が制度が延長されている現実はあります)
②住宅ローンの返済期間10年以上(そもそも10年間に渡って・・・の制度なので)
③床面積50平米以上(パンフレット表記の50平米は壁の厚みも含んだ専有面積です。床面積は登記簿上の床の面積となります。)共有部分の持ち分も一部加算できるケースがあり50平米前後の物件だと適用か判断が難しいので必ず販売員に確認しましょう。
④中古住宅は築25年以内。もしくは一定の耐震基準を満たすこと。
⑤3000万控除との併用不可(次項目で説明のものと併用はできません。3年間間を空ける必要があります。)
⑥初年度は確定申告必須!(2年目以降は年末調整でいけますが初年度は確定申告しないと控除を受けられません。)
⑦10年間の間に転勤などで住まなくなったら、その期間は受けられません。(控除期間内に戻って住みなおした場合は、残りの期間について控除を受けられます。)
尚、一定の条件を満たすとプラス3年間の追加控除を受けることが可能になります。(消費税10%で購入・2021年11月末までに契約して2022年12月末までに入居すること・床面積40平米以上)を満たす必要があります。
3000万控除
家を売った時に買った値段より高く売れた場合、買った値段から減価償却した部分を引いた額と、売れた値段の間の利益には所得税が課税されます(仲介手数料など諸費用分は差し引ける)。家を買ったときから正月を6回迎える前であれば短期譲渡所得税として利益分の39.63%が、正月を6回迎えた後であれば20.315%が課税されます。
ただ、この課税を免除してもらう方法として3000万控除というものがあります。適用を受けるには直前まで住んでいた必要があり、貸していた物件などでは適用できません。
また、住宅ローン控除と併用ができず、3000万円控除を受けてしまうと以降3年間に家を買っても住宅ローン控除を使うことができなくなってしまいます。ですので、買い替えなどの際には所得税を払って次の家の住宅ローン控除を受けるのか、3000万控除を受けて住宅ローン控除を使わないのか、どちらが自分のライフスタイルに合っているかよく考えてから進めましょう。
すまい給付金
住宅ローンを借りて家を買うと給付金が支給されます。年収の制限があり、775万円の以下の収入の方に限られます。10万円~最大50万円まで現金がもらえますので活用しましょう。
不動産の引き渡しを受けて登記が完了してからの手続きなので不動産屋さんは、申請したかどうか基本的に確認してくれません。ご購入者が忘れてしまったり知らないともらい漏れになってしまいますので注意しましょう。
不動産取得税
不動産を購入すると最初に1度かかるのが不動産取得税です。忘れたころに請求が来るので驚きますが、これも今は軽減されています。本来は固定資産税評価額×4%というのが課税額ですが現在は50平米以上の床面積で(固定資産税評価額-1200万円)×3%という額になります。エリアや建物と土地の割合にもよりますが、普通なら50~60万円の取得税が30万円くらいで済むイメージです。
登録免許税
物件を買うとき、金融機関手数料や登記費用など諸費用がかかりますが、このうちの登記の費用について軽減がされています。今は本来の金額より新築で65%中古で85%ほど安く、数十万円の大幅な減税となっています。
印紙税
売買契約書には売買金額に応じて印紙を貼ることになっていますが、こちらが半額になります。凄く大きい金額でも印紙が3万円とかなので、お得になる部分は1~1.5万円くらいのものですがこちらも使えます。
固定資産税
固定資産税の建物部分が5年間割り引かれます。マンションなどでも価格の中で土地と値段に分かれています。対価比率と呼ばれており、物件によって違いますが平均すると建物の割合が60~75%残りが土地の価格というイメージです。販売元に「対価証明書を発行してほしい」と言えば発行してくれるはずです。もしくは固定資産税を納める時の納税通知書を見て確認しましょう。
贈与税
お金の贈与は通常だと基礎控除の年間110万円までが非課税です。これを超えると贈与税がかかってくるのですが住宅を買うときに以下の条件を満たすと500~最大1500万円まで住宅資金として非課税で贈与が受けられます。
・合計所得が2000万円以内
・贈与を受けた翌年3月15日までに入居すること
・床面積40平米以上240平米以下
基礎控除とは別に1500万円を受け取れるので、この年は合計1610万円まで贈与税が免除というわけです。
翌年の確定申告で贈与税の特例を使用した旨を申告しましょう。住宅ローン減税でも初年度は確定申告が必要なので合わせて行いましょう。
購入について
家を買うと上記のように様々な制度が使えます。借り上げ社宅など家賃が抑えられるならまだしも、正規の賃料を払うならば買った方がお得・・・?なんてことも考えられますね。
購入する家はクオリティもきっと高いでしょうし生活が快適になるかも。検討の結果買わなかったとしても、家を買うこと一度は考えてみてもいいものかもしれませんね。
購入に関して知りたいこと、質問などは、お問い合わせフォームからお願いします。
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